土曜日に新しい生徒さんが
入会してくれました。
どうしてうちの教室に来てくれたのか
聞いてみたよ。
昔、マイスターダンス競技会に出ていたときに
うちの教室の生徒さんがドレスを着るのを
手伝ってくれたんだって。
他にもいろいろと良くしてもらったとのこと。
それから数年間ダンスを休んでた。
最近落ち着いたからまたダンスを始めようと思って、
うちの教室を思い出してくれたらしい。
「良くしてくれた生徒さん」が誰なのか
気になっていたけど、しばらくわからなかった。
でも次の一言で理解した。
「彼女、名前は知らないんだけど亡くなったらしいの」
わかったよ。
マイスター選手権に出場していて、
亡くなった方は1人しかいないから。
Yさんとして話をすすめます。
Yさんはものすごく熱心でダンスが
大好きな生徒さんでした。
毎日教室に通ってくれて個人レッスン、
サークル、フリーダンスと一生懸命踊ってたよ。
僕が出場する競技会には毎回応援に来てくれた。
競技会の応援団長ともいえるくらい熱心で、
いつも応援グッズを作ってくれていた。
そして僕が引退すると決めた最後の試合。
Yさんは最後の大会用にとっておきの
大きな横断幕を作成中でした。
その矢先。
脳梗塞で倒れた。
倒れて意識は無くなってしまったけど、
呼吸はあった。
病院にお見舞いに行ったよ。
手を握り締めて、いろいろ語りかけた。
「頑張ってくるから」と気持ちを伝えました。
作りかけの横断幕はYさんの娘さんたちが
完成してくれた。
そして引退試合が終わり、2週間ほど経った頃、
Yさんは亡くなりました。
倒れてからもすごく頑張ったと思う。
引退試合も応援してくれていたに違いない。
お葬式に行くと、笑顔で本当に楽しそうに
踊っている写真が飾ってあった。
出棺の日、Yさんはお気に入りの赤い
スタンダードドレスを着ていたと聞きました。
今頃は天国でも楽しく踊ってると思うよ。
Yさんが引き合わせてくれたご縁。
まだ応援してもらってるような不思議な感覚でした。