「先生、この前のパーティーはM子先生の衣装が
素敵だったわ~」
M子先生は僕のパートナー。
「現役の時にああいうドレス着れば
よかったのに~」
「M子先生のドレスいいわね~」
M子先生のドレスが好評だったみたいでよかった。
今回はデザイナーさんと直接打ち合わせすることも
でき、いい感じの一品ができました。
お互いの作りたいドレスのイメージがうまく
伝わりあったみたい。
ここでひとつ言っておきたい。
M子先生のドレスが褒められるのは嬉しい。
だが。
衣装を新調したのはM子先生だけじゃない。
前掛けも新調していたのだ。
カッコイイ白のジャケットタイプにしたのである。
イケてるデザインにしたのである。
誰もそのことについては触れてくれない。
多分、見られていないね。
メンズの衣装は見られていないのだ。
試しにM子先生の衣装を褒めてくれた生徒さんに
ちょっと意地悪く言ってみた。
「僕も衣装を新しくしたんですけどねぇぇえ」
「あら。先生はなにを着ても似合うから♪」
「・・・・・」
生徒さんの方が一枚上手だったぜ。