「前掛け君。体が曲がってるよ」
コーチャーに言われました。
まだプロデビューしたばかりで
右も左もわかってない時ね。
当時、自分はイケイケでノリノリで踊っていて、
「この勢いで突き進むぜ!」と思ってた。
そこに予想外の角度からの一言。
体が曲がっている?
どういうことだろう?
[su_note note_color=”#ededea”]【曲がる】
まっすぐな物・平らな物が弓形・ S 字形などになること[/su_note]
横に曲がっているのか?
前に曲がっているのか?
顔が曲がってるのか?
自分ではわからないけど、見抜ける人によると
曲がって見えるらしい。
それから。
まっすぐに立つ練習が始まりました。
地面に対してまっすぐ立つ。
地球に対してまっすぐに立つ。
足の裏から頭のてっぺんまでまっすぐに。
体の中に垂直なエネルギーが通ってるイメージで。
まっすぐに立ったボディを保ちながらウォーク。
ひたすらにウォーク。
毎日1時間以上まっすぐにウォーク。
春が来て夏が過ぎ秋も去り冬になっても
まっすぐウォークを続けました。
余談だけど。
まっすぐに立つことだけを考えてウォークを
延々と続けているとおもしろいことが起きる。
頭がトランス状態になってくるんだよね。
[su_note note_color=”#ededea”]【トランス状態】
精神状態が普段とかけ離れた境地にある状態。しがらみから解放されて潜在意識が表に出てくる状態。ものすごい集中力を発揮することがある。[/su_note]
単調で退屈なはずのウォークが楽しくなってくる。
時間を忘れて没頭できるようになってくる。
意識が自分の中に入っていくような感じ。
周囲が全く気にならなくなってくる。
話しは戻りまして。
それ以来”まっすぐに立って踊る”というのが
自分のテーマの一つになりました。
世界チャンピオンのダンスを見ると確かに
まっすぐに立っている。
まっすぐのままスーッと動いている。
そして現役最後の引退試合。
踊り終わった後にコーチャーに言われました。
「体が曲がっていたね」
ぐはっ!
治ってなかった(笑)
いや、そんなことはない。
よくなっていたと思う。
自分で言うのもなんだけど、
だいぶ治っていたと思うんだよ。
かなり意識して練習してきたし。
10年以上、気を付けてきたし。
ただ。
見る目がある人が見るとやっぱり曲がって
見えるんだろうね。
まるで職人がミリ単位の変化を感じ取ることが
できるように。
ま、そんなこんなでまっすぐに立つことって
プロでも結構むずかしかったりします。
だから大丈夫。
レッスンで「まっすぐに立って」と言われて
うまくできなくても大丈夫です。
時間をかけて練習して身に付けていきましょう。
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